平成20年度成果
成果概要
本研究課題は、1)これまでほとんど直接観測が行われておらずモデルにも組み込まれていない海洋鉛直混合を直接観測し(本課題では大きな鉛直混合の存在が予想されている千島列島・オホーツク海、アリューシャン・ベーリング海域、黒潮続流域が対象)、2)大きな混合が生じるメカニズムを明らかにし、3)混合過程が水塊形成・変質・海流・物質循環・生態系にどのような影響を及ぼすかを評価すること、及び、4)大きな鉛直混合が潮汐の18.6年振動に連動して変動することに起因する海洋・気候長周期変動について、観測データやモデルを用いて、その存在と機構を明らかにすることである。
本年度は、これまでの知見を総括し、平成21年度に実施される白鳳丸アリューシャン・ベーリング航海、及び、平成21年度以降に行われる予定のロシア船を用いた千島・オホーツク海観測の計画を検討するために、東京大学海洋研究所共同利用シンポジウム「潮汐混合とオホーツク海・ベーリング海の物理・化学・生物過程」を5月22-23日に開催し、その成果を月刊海洋号外50号として出版した。混合観測としては、淡青丸KT08-7航海(2008年5月)に黒潮続流域、及び、白鳳丸Kh08-2航海(2008年7-8月)に北西太平洋・天皇海山列において乱流観測および本課題で新たに導入した硝酸プロファイラ観測、さらに鉄の観測を実施した。これらの観測から、硝酸プロファイラと乱流計のデータを併用することにより、硝酸の乱流鉛直拡散輸送を評価する基礎ができた。また、北西太平洋の広い海域で2000mまでの夏季の乱流拡散の実態を明らかにでき、さらに、神武海山上で強い乱流を観測した。千島列島付近の乱流については、2006/2007年観測データの解析を進め、良好な乱流データを仕分ける手法の開発を行った他、密度逆転から乱流強度を評価する手法が有効であることを実証した。この手法は、従来取得されてきた海洋観測データを用いて乱流強度がある誤差範囲で推定可能であることを示す画期的な成果である。また、千島列島付近の大きな乱流鉛直混合により、周辺海域に見られない特異な栄養塩鉛直プロファイルが存在することが明らかとなった。この強い鉛直混合が、アムール川により陸から供給され、サハリンに沿ってオホーツク海中層水に含まれて南下した鉄を表層にもたらす効果があることが明らかになりつつある。18.6年周期潮汐振動については、木の年輪データから再構成された300年の北太平洋10年規模振動指数(Pacific Decadal Oscillation)データに18.6年振動が統計的に有意に存在することが明らかとなり、1日周期潮汐が大きい時期にPDOが負(アリューシャン低気圧が弱く、中緯度中央太平洋暖)、弱い時逆になるという事実が明らかとなった。千島列島付近の潮汐混合を大きくして18.6年周期で振動させた大気海洋海氷結合気候モデル実験により、ENSOに潮汐振動の影響が表れ、潮汐混合が強い時期に約6年遅れて赤道付近の表面水温が最小となり、よりラニーニャ的になった。この気候モデル実験結果がそのまま現実の気候に当てはめられるかどうかは定かでないが、千島列島という全球から見れば極めて限定されている局所的な鉛直混合の変動が、ENSOを通じて全球の気候に影響を与えうることが明らかになったことは、極めて重要な意味を持っている。
詳細概要
1. 観測
2008年8-9月白鳳丸航海(35日間)において、天皇海山列及び西部北太平洋北緯50度付近亜寒帯海域から東経155度に沿って北緯10度熱帯域にかけて2000m深までの乱流計観測を実施し、乱流強度分布及び物質鉛直輸送・生態系との関連の観測を実施した(安田・伊藤)。淡青丸房総沖KT08-7航海において得られた親潮と合流直後の黒潮続流域の乱流・物質・生物生産の観測データを用いた解析を行った(安田・伊藤・池谷)。鉛直方向に詳細な硝酸プロファイルが測定でき、乱流計データと組み合わせ鉛直フラックスを算出できる硝酸塩連続プロファイラを導入(東大海洋研)し、本研究における栄養塩・生態系観測研究の基礎を構築した。硝酸塩連続プロファイラに習熟しプランクトン研究者である池谷透博士をPDとして雇用し、乱流と生態系の関連の研究を推進した。また、21年度のロシア船オホーツク海観測については、西岡、安田、中塚がロシア極東水文気象研究所所長Volkov, Y.N.博士(研究協力者)と打ち合わせた結果、2010年6-7月、2011年に実施するよう手続きを進めているが、船舶の修理などに絡み2009年度航海は延期されることになった。2009年に予定されている白鳳丸アリューシャン・ベーリング海観測を行うために、5/22-23にシンポジウムを開催し観測計画のとりまとめを行った。シンポジウムの成果を、月刊海洋号外、として出版した。2006/2007ロシア船観測によって千島列島海域で得られた観測データの解析を進め、密度逆転からの乱流強度評価手法の検討を通じた密度データによる乱流強度推定をおこない、千島列島付近での栄養塩分布と乱流による栄養塩鉛直輸送を見積もった。オホーツク海の鉄分布観測データの解析を進め、千島での強い潮汐混合が親潮に影響を与えることを示した(西岡・中塚)、化学トレーサ観測データの解析(渡辺)を行った。
2. 潮汐・乱流モデル
千島列島海域を対象にした非静水圧3次元モデルの結果を整理するとともに、アリューシャン列島アムチトカ海峡での詳細観測・モデルにより非定常風下波による混合過程を確認した(中村)。千島海峡での交換流の季節変動の観測データ・理論による見積もりを行った(勝又)。
3. 鉛直混合の定量化
2006/2007年千島列島乱流観測とオホーツク海潮汐モデルを比較・検討することにより、乱流強度の時空間変動の原因を検討した(観測・モデル関係者)。高精度海洋大循環モデルへの乱流観測データの同化手法について検討を開始した(小松)。
4. 長期変動資料解析
気候変動指標長期データ(木の年輪・サンゴ等)・海面水温データを用いた長期変動解析を行い18.6年振動がPDOに存在することを証明した(安田)、海洋観測長期データを用いた解析によりベーリング海にも18.6年振動に同期した水塊変動が存在することを示した(長船・安田)。栄養塩等長期資料の解析により20年変動を示した(渡辺)。木の年輪解析・海底堆積物解析による長期変動解析により(中塚)。
5. 高解像度海洋モデル
観測された潮汐混合・18.6年潮汐振動を取り込むことができる高解像度海洋循環・生態系モデルの開発に着手した(小松)。
6. 気候モデル
予備的に実施した千島列島付近の潮汐混合を変動させた大気・海洋・海氷結合モデルにより、千島列島での混合の変化が赤道域に伝搬しENSOの変調を通じて大規模な気候変動を引き起こしうることを示した(羽角・建部・安田)。
個別成果
羽角
既に行った結合モデル実験結果の解析を進めるとともに、今後新たに行う結合モデル実験の準備を行った。従来よりも高解像度の結合モデルについて、解像度やパラメタリゼーションに関する使用を決定し、パラメータチューニング実験および初期状態作成のためのスピンアップを行った。
小松
衛星海面高度を同化した渦解像海洋大循環モデルCHOPEをオホーツク海とベーリング海に適用するに当たり,既往の現場観測データと比較してモデルの問題点を抽出した。
西岡
北太平洋中層水(NPIW)に、どれだけオホーツク海から鉄分が流出しているかを明らかにするために、夏季の西部北太平洋亜寒帯域で東経155度線に沿った断面観測を実施した。その結果、NPIWの指標となる塩分極小層に沿って北緯30度付近まで高鉄濃度水塊がみられ、オホーツク海中層水に含まれる鉄分が西部北太平洋の広範囲に運ばれていることを定量的に明らかにした。
中塚
1.オホーツク海の観測データの解析を進め、千島列島周辺での鉛直混合が、鉄などの生物生産に必須の元素の循環に果たす役割を、明らかにした。
2.潮汐18.6年振動が、気候変動に及ぼす影響を解明するために、オホーツク海南部から親潮域の海洋環境変化の影響を最も受けやすい(つまり、夏季にオホーツク海高気圧によって駆動されたヤマセの直撃を受ける)北東北の太平洋側(岩手県東部)と、比較のために同日本海側(秋田県中部)において、樹齢百数十年の樹木(ヒバとスギ)の年輪セルロースの酸素同位体比を用いた古気候復元手法の開発を進めた。その結果、岩手県東部と秋田県中部の樹木年輪セルロースの酸素同位体比の経年変化のデータの組み合わせから、夏季の北西部北太平洋における海面気圧場の変動が、正確に復元できることが明らかとなった。今後、この手法をより樹齢の長い樹木年輪に応用して、長期に亘る北西部北太平洋の海洋環境変動を、復元していく予定である。
中村
冬季の親潮域における亜表層から海面混合層への鉄の取込過程解明とフラックス評価を行うことを目指し、本年度は、研究分担者の一人である西岡准教授の実施した表層鉄濃度の連続観測と同期するようにXCTD観測を行った。また、潮流により生成された内部波とそれに伴う鉛直混合を調べるため、北海道大学水産学部おしょろ丸の北洋航海においてXCTD・XBT観測を行った。
勝又
オホーツク海と北太平洋の交換量の推定を試みた。歴史的温度塩分データ、人工衛星による海面高度、全球数値モデル、いずれによる推定も冬季に強く夏季に弱いという推定値を与えた。これは北太平洋の風による西岸での圧力変動に対応していると考えられる。
H20研究成果リスト
安田一郎(研究代表者) | 羽角博康(研究分担者) | 小松幸生(研究分担者) |
渡辺 豊(研究分担者) | 西岡 純(研究分担者) | 中塚 武(研究分担者) |
中村知裕(連携研究者) | 勝又勝郎(連携研究者) | 建部洋晶(連携研究者) |
安田一郎(研究代表者)
雑誌論文(査読付き)
- H. Hasumi, I. Yasuda and H. Tatebe, M. Kimoto 2008: Pacific bidecadal variability regulated by tidal mixing around the Kuril Islands. Geophysical Research Letters, 35, L14601,doi:10.1029/2008GL034406,2008
- H. Nishikawa and I. Yasuda, 2008: Variation of Japanese sardine (Sardinops melanostictus) mortality in relation to the winter mixed layer in the Kuroshio Extension. Fish. Oceanogr. 17(5), 411-420.
- S. Kouketsu and I. Yasuda, 2008: Unstable frontal waves along the Kuroshio Extension with low-potential vorticity intermediate Oyashio water. J. Phys. Oceanogr. 38, 2308-2321. DOI:10.1175/2008JPO3814.1
- Yasuda, I. (2009), The 18.6-year period moon-tidal cycle in Pacific Decadal Oscillation reconstructed from tree-rings in western North America, Geophys. Res. Lett., 36, L05605, doi:10.1029/2008GL036880.
- Itoh, S., I. Yasuda, H. Nishikawa, H. Sasaki and Y. Sasai (2009), Transport and environmental temperature variability of eggs and larvae of the Japanese anchovy (Engraulis japonicus) and Japanese sardine (Sardinops melanostictus) in the western North Pacific estimated via numerical particle tracking experiments. Fish. Oceanogr., 18(2), 118-133.
書籍
- 安田一郎(2008) 総論:潮汐混合とオホーツク海・ベーリング海の物理・化学・生物過程. 月刊海洋号外50, 5-15.
- 長船哲史・安田一郎(2008)北太平洋亜寒帯域での18.6年水塊変動. 月刊海洋号外50, 41-49.
- 八木雅宏・安田一郎(2008)千島列島海域における密度逆転を用いた乱流混合観測. 月刊海洋号外50, 85-92.
- 金子仁・安田一郎・池谷透・西岡純・中塚武(2008)千島列島付近での中層栄養塩分布. 月刊海洋号外50, 93-98.
口頭発表
- 安田一郎 「物理環境と水産資源」、日本海洋学会シンポジウム「レジームシフト研究の歴史と現状および今後の課題」、2008年3月30日東京海洋大学
- 安田一郎・金子仁・八木雅宏・伊藤幸彦・長船哲史・池谷透・渡辺豊・小野数也・西岡純・中塚武、千島列島海域での潮汐混合と物質分布・鉛直輸送、255、2008日本海洋学会秋季大会、2008年3月28日
- 伊藤幸彦・安田一郎・長船哲史・八木雅宏・金子仁、ウルップ海峡における水塊・流速構造と乱流混合観測、208, 2008日本海洋学会秋季大会、2008年3月28日
- 長船哲史・安田一郎・伊藤幸彦・八木雅宏・金子仁、クルーゼンシュテルン海峡における水塊・流速構造と乱流混合観測、2008年度日本海洋学会春季大会, 207, 東京海洋大学, 3月 2008年
- 池谷透・ 金子 仁・ 安田一郎 ・ 磯村信宏 ・ 北出裕二郎・ 内山 真・ 堀本奈穂・ 石丸 隆 ・ 大村寿明・ 増田貴子・ 古谷 研・ 鶴島修夫・ 原田 晃・山田佳昭、相模湾海域 人工湧昇実験 - トレーサーによる放流水の分布・挙動の観測結果 -、2008日本海洋学会秋季大会、2008年3月28日
- 金子 仁・安田一郎・池谷 透・西岡 純・中塚 武・伊藤幸彦・長船哲史・八木雅宏:ブッソル海峡における栄養塩鉛直輸送、2008日本海洋学会秋季大会講演番号328、2008年9月26日、広島国際大学(広島県呉市)
- 八木雅宏・安田一郎:ブッソル海峡における密度逆転を用いた乱流強度の見積もり、2008日本海洋学会秋季大会講演番号227、2008年9月26日、広島国際大学(広島県呉市)
- Yagi M. and I. Yasuda, Turbulence in the Bussol Strait by using density inversions. PICES annual meeting, Dalian China, Oct. 27, 2009.
- Kaneko H. and I. Yasuda, Nutrient distribution around the Bussol Strait. PICES annual meeting, Dalian China, Oct. 27, 2009.
- Takumi Nonomura, Ryuji J. Machida, Jun Nishikawa, Atsushi Tsuda, Ichiro Yasuda and Shuhei Nishida, Practical identification of three sympatric calanoid copepods, Calanus sinicus, C. jashnovi and C. pacificus, in the western North Pacific, PICES annual meeting, Dalian China, Oct. 27, 2009.
- 西川悠・安田一郎・伊藤幸彦・笹井義一・佐々木英治 OFESを用いた黒潮続流域混合層深度変動とマイワシRPS変動の解析、2008年度水産海洋学会、東京、2008/11/11
- 伊藤幸彦・猿渡敏郎・西川悠・小松幸生・安田一郎・津田敦・清水学・瀬藤聡 房総沖で採集されたマイワシ・カタクチイワシ仔魚の輸送経路・経験環境と成長履歴、2008年度水産海洋学会、東京、2008/11/11
- Yasuda I., H. Nishikawa and S. Itoh, Mixed layer variations in the Kuroshio nExtension in relation to Japanese sardine. AGU-fall meeting, San Francisco, Dec. 15, 2008
- Itoh, S., T. Sugimoto and I. Yasuda, Frontal Waves along the Kuroshio, AGU-fall meeting, San Francisco, Dec. 15, 2008
- Yasuda, I., S. Kouketsu and Y. Hiroe, Frontal waves along the Kuroshio Extension and formation of distinctive salinity minimum. US-Clivar Western Boundary Current workshop, Pheonix, U.S.A., Jan. 15, 2009
- 長船哲史・安田一郎 潮汐18.6年振動に伴う北太平洋亜寒帯域における表層塩分の20年変動。2009日本海洋学会春季大会、東京、2009/4/6
- 丹羽良知・安田一郎・卜部佑介 海面水位データを用いた潮汐18.6年周期変動の検証 2009日本海洋学会春季大会ポスター発表、東京、2009/4/6
- 山脇有紗・小松幸生・清水学・瀬藤聡・安倍大介・高須賀明典・伊藤幸彦・安田一郎、黒潮・黒潮続流域におけるマイワシ仔魚の輸送・水温環境の年々変動、2009年日本海洋学会春季大会、東京、2009/4/8
羽角博康(研究分担者)
雑誌論文
- Hasumi, H., I. Yasuda, H. Tatebe and M. Kimoto (2008): Pacific bidecadal climate variability regulated by tidal mixing around the Kuril Islands, Geophysical Research Letters, 35(14), L14601.
- 羽角博康 (2008): 18.6年周期潮汐の気候への影響に関するモデリング, 号外海洋, 50, 50-56.
- Sakamoto, T. T., and H. Hasumi (2008): Pacific upper ocean response to global warming -climate modeling in an eddying ocean regime-, in Eddy-Resolving Ocean Modeling, Eds. M. Hecht and H. Hasumi, American Geophysical Union, 265-279.
- Tanaka, T., and H. Hasumi (2008): Resolution dependence of eddy luxes, in Eddy-Resolving Ocean Modeling, Eds. M. Hecht and H. Hasumi, Americal Geophysical Union, 101-113.
- Oka, A., S. Kato and H. Hasumi (2008), Evaluating effect of ballast ineral on deep-ocean nutrient concentration by using an ocean general irculation model, Global Biogeochemical Cycles, 22(3), GB3004.
- Tanaka, Y., and H. Hasumi (2008): Injection of Antarctic Intermediate Water into the Atlantic subtropical gyre in an eddy resolving ocean model, Geophysical Research Letters, 35(11), L11601.
- Matsumura, Y., and H. Hasumi (2008): A nonhydrostatic ocean model with a scalable multigrid Poisson solver, Ocean Modelling, 24, 15-28.
図書
- Hecht, M., and H. Hasumi (Eds.) (2008), Ocean Modeling in an Eddying Regime, Geophysiclal Monograph Series Volume 177, American Geophysical Union, Washington, D.C., 409 pp.
小松幸生(研究分担者)
雑誌論文
- 吉成浩志,瀬藤 聡,奥野 章,安倍大介,小松幸生,宮澤泰正, FRA-JCOPEグループ・FRA-JCOPEの再現性に対するArgoデータの影響評価・海と空・査読有・84・2008・77-84
- 宮澤泰正, 小松幸生, 瀬藤聡・数値海況予測システムJCOPE2による黒潮・親潮混合域の再現性・海と空・査読有・84・2008・85-91
- Tamura, H., T. Waseda, Y. Miyazawa and K. Komatsu・Current-Induced Modulation of the Ocean Wave Spectrum and the Role of Nonlinear Energy Transfer・J. Phys. Oceanogr.・査読有・38・2008・2662-2684
学会発表
- 宮澤泰正,鍵本崇,郭新宇,章若潮,田村仁,早稲田卓爾,小松幸生,瀬藤聡,Joon-Soo Lee,奥野章・数値海況予測システムJCOPE2を用いた再解析データ作成・2008年度日本海洋学会春季大会・2008年3月27日・東京海洋大学
- 吉江直樹,小松幸生,伊藤進一,小埜恒夫,田所和明,齊藤宏明,山中康弘・生態系モデルによる親潮域・混合水域における低次生態系の経年変化の再現・2008年度日本海洋学会春季大会・2008年3月27日・東京海洋大学
- 安倍大介,小松幸生,清水学,奥野章・黒潮域表層流によるイワシ類卵仔魚輸送の年々変動特性・2008年度日本海洋学会春季大会・2008年3月27日・東京海洋大学
- Joon-Soo Lee, 小松幸生,宮澤泰正,鍵本崇,瀬藤聡,奥野章・Modification of the operational ocean prediction system “FRA-JCOPE” for the Yellow and East China Seas・2008年度日本海洋学会春季大会・2008年3月29日・東京海洋大学
- 吉成浩志,細田滋毅,小松幸生,Argo Trajectory Working Group・Argo float沈降/上昇時に生じる滞在深度流速誤差の見積もり・2008年度日本海洋学会春季大会・2008年3月29日・東京海洋大学
- 小松幸生,廣江豊,市川忠史・GPS波浪ブイによる黒潮周辺域の波浪観測・2008年度日本海洋学会春季大会・2008年3月29日・東京海洋大学
- 亀田卓彦,瀬藤聡,小松幸生・西部北太平洋における海面クロロフィル変動1.時空間スケール・2008年度日本海洋学会秋季大会・2008年9月26日・広島国際大学
- 安倍大介,奥野章,清水学,小松幸生・黒潮続流域における海面水温場の変動特性・2008年度日本海洋学会秋季大会・2008年9月26日・広島国際大学
- Joon-Soo Lee, 清水学,松野健,小松幸生,宮澤泰正,瀬藤聡,奥野章・Simulation of satellite-tracked drifter experiments in summer 2003 and 2004 using FRA-JCOPE and investigation of mechanisms for drifter behaviors in the East China Sea・2008年度日本海洋学会秋季大会・2008年9月26日・広島国際大学
- 小松幸生,廣江豊,市川忠史,清水学・GPS波浪ブイによる黒潮周辺域の波浪観測(II)・2008年度日本海洋学会秋季大会・2008年9月27日・広島国際大学
図書
- 児玉真史,小松幸生,田中勝久・河川負荷の変動が沿岸海域環境に及ぼす影響・株式会社恒星社厚生閣・アサリと流域圏環境(生田和正ほか編)・2009・101-114
渡辺 豊(研究分担者)
雑誌論文
- Shigemitsu, M., Watanabe, Y. W., Narita, H.(2008):Time variations of d-15N of organic nitrogen in deep western subarctic Pacific over the last 145 kyr. Geochemistry, Geophysics, Geosystems 9(10), Q10012, doi:10.1029/2008GC001999. (査読あり)
- Ishida, H., Watanabe, Y. W., Ishizaka, J., Nakano, T., Nagai, N. (2009): Recent trend of chlorophyll-a over the western North Pacific region. Journal of Oceanography, 65, 179-186.(査読あり)
学会発表
- Watanabe, Y. W., Nishoika, J., Shigemitsu, M., Mimura, A., Nakatsuka, T.: Remarkable increases of Alkalinity and pH in the Okhotsk Sea during the 1990s and 2000s. Remarkable increases of Alkalinity and pH in the Okhotsk Sea during the 1990s and 2000s. The Annual Meeting of Asia Oceania Geosciences Society, Busan, Korea, 16-20 Jun. 2008.
- Nishioka, J., Kuma, K., Watanabe, Y. W., Ono, T., Nakatsuka, T.: Importance of lateral iron transportation from the Sea of Okhotsk to western subarctic Pacific. The Annual Meeting of Asia Oceania Geosciences Society, Busan, Korea, 16-20 Jun. 2008.
西岡 純 (研究分担者)
雑誌論文
- Liu, H., K., Suzuki, J., Nishioka, R., Sohrin, T. Nakatsuka, Phytoplankton growth and microzooplankton grazing in the Sea of Okhotsk during late summer of 2006. Deep-Sea Research Part I, 査読あり、56、2009、561-570
- Ooki, A., J. Nishioka, T. Ono, and S. Noriki, Size dependence of iron solubility of Asian mineral dust particles, Journal of Geophysical Research、査読あり、114, D03202、doi:10.1029/2008JD010804、2009
- 西岡 純,中塚 武,小野数他、2008、千島海峡の混合過程の生物地球化学的重要性―西部北太平洋亜寒帯域の鉄:栄養塩比に与える影響―、月刊海洋、査読なし、50、2008、107-114
学会発表
- 西岡 純・小埜恒夫・紀本英志・中村知裕・坂岡桂一郎, 親潮域表層における微量栄養物質(鉄)の広域水平分布自動観測、2008年度日本海洋学会秋季大会、2008年9月27日、呉(広島国際大学)
- 小埜恒夫、西岡 純、中村知裕、三寺史夫、冬季親潮域表層への溶存鉄供給過程の詳細観測 -HK0801航海概報-、2008年度日本海洋学会秋季大会、2008年9月27日、呉(広島国際大学)
- 西岡 純・中塚 武、千島海峡の混合過程が西部北太平洋亜寒帯域の鉄:栄養塩比に与える影響、2009年度日本海洋学会春季大会、2009年4月6日、東京(東京大学)
- Jun Nishioka,Takeshi Nakatsuka, Kenshi Kuma Yutaka W. Watanabe, Tsuneo Ono, Kay I. Ohshima, N. Ebuch, The importance of sea-ice formation in the Sea of Okhotsk for supplying iron to the western subarctic pacific, 2009 ASLO aquatic science meeting, 2009.29 Jan., Nice France
- Jun Nishioka,Takeshi Nakatsuka, Hiroaki Saito, Tsuneo Ono, Takayuki Shiraiwa, The importance of sea-ice formation in the Sea of Okhotsk for supplying iron to the western subarctic pacific, 2008 IMBER/IMBIZO workshop, 2009. 10 Nov., Maiami, USA.
- Jun Nishioka,Takeshi Nakatsuka, Kenshi Kuma Yutaka W. Watanabe, Tsuneo Ono, Kay I. Ohshima, The importance of sea-ice formation in the Sea of Okhotsk for supplying iron to the western subarctic pacific, 2008 PICES annual meeting, 2009. 23 Oct., Dalian, China
- Jun NISHIOKA, Kenshi KUMA, Yutaka W. WATANABE, Tsuneo ONO, Takeshi NAKATSUKA, Importance of lateral iron transportation from the Sea of Okhotsk to western subarctic Pacific, 2008 AOGS meeting, 2009, 23 June, Busan Koria
中塚 武(研究分担者)
雑誌論文(査読有)
- Tsuji, H., T. Nakatsuka, K. Yamazaki and K. Takagi (2008): Summer relative humidity in northern Japan inferred from tree-ring d18O (1776-2002 AD)- Influence of paleoclimate indices of atmospheric circulation. Journal of Geophysical Research, 113, D18103, doi:10.1029/2007JD009080.
- Saitoh, Y., K. Kuma, Y. Isoda, H. Kuroda, H. Matsuura, T. Wagawa, H. Takata, N. Kobayashi, S. Nagao and T. Nakatsuka (2008): Processes influencing iron distributions in the coastal waters of the Tsugaru Strait, Japan. Journal of Oceanography, 64, 815-830.
- Liu, H., K. Suzuki, J. Nishioka, R. Sohrin and T. Nakatsuka (2009): Phytoplankton growth and microzooplankton grazing in the Sea of Okhotsk during late summer of 2006. Deep-Sea Research I, 56, 561-570.
雑誌論文(査読無)
- 中塚 武・大西啓子・原登志彦(2008):カムチャッカ半島のカラマツ年輪セ ルロースの水素・酸素同位体比による夏季気温変動の復元.月刊地球,30, 207-215.
- 中塚 武・西岡 純・白岩孝行(2008):内陸と外洋の生態系の河川・陸棚・ 中層を介した物質輸送による結びつき-2006/2007オホーツク海航海の作業仮 説-.月刊海洋/号外,50, 68-76.
学会発表
- 中塚武,大西啓子,辻寛之,安江恒,光谷拓実、過去3世紀における梅雨と ENSOのテレコネクションパターンの周期的変化:樹木年輪セルロースの酸素同 位体比からの証拠、日本地球惑星科学連合大会2008年度大会、2008年5月27日、幕張
- NAKATSUKA,T., OHNISHI,K., TSUJI, H., YASUE, K. and MITSUTANI, T. Changes in Teleconnection Pattern between Baiu and ENSO during Last Three Centuries: Evidences from Oxygen IsotopicRatios of Tree-Ring Cellulose in Northern, Central and Southern Japan、 Asia Oceania Geoscience Society、2008年6月18日、Busan, KOREA
- NAKATSUKA, T., NISHIOKA, J. and SHIRAIWA, T. Linkage between Inland and Open Ocean Ecosystems through River and Intermediate Water Flows -Huge but Vulnerable System in the Amur River Watershed and the Sea of Okhotsk- , 2008 0616、Busan(Korea)、 Asia Oceania Geoscience Society
- NAKATSUKA, T., NISHIOKA, J. and SHIRAIWA, T. Biogeochemical linkage between Amur River basin and western subarctic Pacific by iron transport through Okhotsk Sea Intermediate Water : A new paradigm to explain changes in ocean primary productivity , 2008 0827、 Abashiri (Japan)、 PICES Okhotsk Symposium
- NAKATSUKA, T., OHNISHI, K., TSUJI, H., MITSUTANI, T., YASUE, K., FUJIWARA, T. and Yoshikazu SAMPEI, S.、Spatial and temporal variations in oxygen isotopic ratios of tree-ring cellulose in Japan during last three centuries、American Geophysical Union 2008 Fall Meeting、2008年12月17日、San Francisco, USA
中村知裕(連携研究者)
雑誌論文
- Nakamura T. and T. Awaji.Scattering of internal waves with frequency change over rough topography. J. Phys. Oceanogr., in press(査読有り)
- 中村知裕:2008潮汐過程がオホーツク海・北太平洋間の海水交換に果たす役割、海の研究,17(2),133-146.(査読有り)
- 中村知裕:2008千島列島付近での潮汐・混合のモデル研究 -なぜ大きな混合?月刊海洋号外, 50, 18-27.(査読なし)
- 中村知裕,三寺史夫:2008環オホーツク圏領域気候モデル天気, 55 (7), 555-560.(査読有り)
学会発表
- Nakamura, T.:The Effects of Tidal Mixing at the Kuril Straits on North Pacific Ventilation.SCOR 50th Anniversary Symposium, 19-21 October 2008, Woods Hole, Massachusetts, USA.
- 小埜恒夫,西岡純,中村知裕,三寺史夫、冬期親潮域表層への溶存鉄供給過程の詳細観測 -HK0801航海概報-2008年度日本海洋学会秋季大会, 2008年9月24日-28日, 332(26日)広島国際大学 呉キャンパス.
- 西岡純,小埜恒夫,紀本英志,中村知裕,坂岡桂一郎、親潮域表層における微量栄養物質(鉄)の広域水平分布自動観測、2008年度日本海洋学会秋季大会, 2008年9月24日-28日, 333(26日)広島国際大学 呉キャンパス.
- 中村知裕,西岡純,小埜恒夫,三寺史夫、冬季親潮域における表層鉄濃度と水塊構造の関係:鉄の表層回帰、2008年度日本海洋学会秋季大会, 2008年9月24日-28日, 333(26日)広島国際大学 呉キャンパス.
- 三寺史夫,松田淳二,中村知裕,内本圭亮,中野渡拓也,江淵直人、風の強制と結合したオホーツク海の熱塩循環、2008年度日本海洋学会秋季大会, 2008年9月24日-28日, 116(26日)広島国際大学 呉キャンパス.
- 笹島雄一郎,羽角博康,中村知裕、オホーツク海における高密度陸棚水形成の感度実験、2008年度日本海洋学会秋季大会, 2008年9月24日-28日, 113(25日)広島国際大学 呉キャンパス.
- 上原裕樹,中村知裕,西岡純,小埜恒夫,三寺史夫、北太平洋亜寒帯西部における上層成層の変動、2008年度日本海洋学会秋季大会, 2008年9月24日-28日, P54(26日)広島国際大学 呉キャンパス.
- Sasajima, Y., H. Hasumi, and T. Nakamura: A sensitivity study on the dense shelf water formation on the Okhotsk Sea. Fourth PICES Workshop on "The Okhotsk Sea and adjacent areas", August 27-29, 2008, Okhotsk campus of the Tokyo、University of Agriculture, Abashiri
- Uchimoto, K., T. Nakamura, J. Nishioka, and H. Mitsudera. Modeling of the circulation of the intermediate layer in the Sea of Okhotsk. Fourth PICES Workshop on "The Okhotsk Sea and adjacent areas", August 27-29, 2008, Okhotsk campus of the Tokyo University of Agriculture, Abashiri
- Mitsudera, H., J. Matsuda, T. Nakamura, and K. Uchimoto: Wind- and buoyancy-driven overturning circulation in the Sea of Okhotsk. OS02-A030, 5th Asia Oceania Geosciences Society Conference, AOGS 2008, Busan, Korea, June 16-20, 2008.
- Uchimoto, K., T. Nakamura, J. Nishioka, J. Matsuda, and H. Mitsudera: Modeling the Intermediate Layer Circulation in the Sea of Okhotsk. OS02-A029, 5th Asia Oceania Geosciences Society Conference, AOGS 2008, Busan, Korea, June 16-20, 2008
勝又勝郎(連携研究者)
雑誌論文
- 勝又勝郎、ブソル海峡を通じたオホーツク海と北太平洋の交換流の水理学モデル 月刊海洋、 査読なし、 号外 50、 2008 年、34--40
- 大島慶一郎、小野純、小野数也、勝又勝郎、オホーツク海の潮流の観測、月刊海洋、 査読なし、 号外 50、 2008 年、28--33
- Katsumata, K., I. Yasuda, Estimates of volume transport between the Sea of Okhotsk and the North Pacific J.Oceaonogr., submitted
学会発表
- 勝又勝郎、ブッソル海峡流出流の季節変動、日本海洋学会秋季大会、2008 年 9 月、呉
建部洋晶(連携研究者)
雑誌論文
- 建部洋晶・森正人 千島列島周辺における強い潮汐混合に対する大気場循環場の応答, (月刊海洋号外「潮汐混合とオホーツク海・ベーリング海の物理・化学・生物過程」, 50, 2008)