亜熱帯低気圧(SC:Subtropical Cyclone)とは、 熱帯低気圧と温帯低気圧の両方の特徴を持った、 低・中緯度(赤道から北緯約50度まで)の低気圧を指す。 亜熱帯低気圧として最もよく知られているのはハワイ島付近で 主に寒気に発生するコナストームである。 また地中海においても亜熱帯低気圧がよく発生する事で知られている。 日本においても2003年10月08日に沖縄の南西海上で発生し、 九州地方を経て同13日に関東地方を通過し、 大雨・突風災害を引き起こした亜熱帯低気圧の事例がある。 本研究では行うことは以下の通り。 まずEvans and Hart(2003)が提唱した 非軸対称性と中心付近の温度構造に基づく指標を用いて、 既知の亜熱帯低気圧(今回解析した事例は2003年6月25日に オーストラリア付近で発生した亜熱帯低気圧”HOWE ”)から その特性を見出す。その特性を踏まえた上で、 Evans and Hart(2003)による指標をもとに 「亜熱帯低気圧」を定義する。 最終的に、その定義を用いて 日本近辺を中心とした北西太平洋で発生したと考えられる 亜熱帯低気圧の統計解析を行うことを目的としている。 |