2005年7月6日の水蒸気画像によって、300km〜400kmの波長を持った
対流圏上層の渦列が確認された。水蒸気画像によると、43°N、
143°E付近に東西方向に伸びた乾燥領域が折れ曲がるようにして渦
列が形成され、その後18時間以上にわたって渦状の構造を維持した。
7月6日の気象庁領域スペクトルモデル(RSM)予報値によると、渦列の
発生した領域付近に収束帯が形成されており、強い水平シアーが存在
していることがわかった。
そこで、143°Eの南北-高度断面の流速を基本場とした線形安定解析を行い、 最も成長率が大きな不安定モードを解析したところ、波長、位相速度、 成長率が水蒸気画像による観測とほぼ一致していた。 またエネルギー解析の結果から、順圧不安定が主な発生要因である。 |