北太平洋亜寒帯域では亜表層から中層にかけて
水温が深さと共に増加(水温逆転)することが知られている。
この水温逆転は主に冬季の海面冷却で形成され、
西部海域・ベーリング海では一年を通じて観測される。
亜表層に残された水温極小層には冬季の大気情報が記憶されており、
北太平洋亜寒帯域における大気海洋相互作用の解明には、
水温逆転の形成・変動の理解が 必要不可欠であると考えられる。
水温逆転の分布・形成に関する研究は、 主に歴史的海洋観測データに基づいた気候値データセットを用いて行われてきた。 しかし冬季データの不足から、 水温逆転の形成・季節発展の理解は乏しく、経年変動の理解も不十分であった。 そこで我々は、亜寒帯のほぼ全域に渡って展開されている Argoフロートのデータを用い、 水温逆転の時空間変動及び形成過程の検討を行ったのでその結果 (Ueno et al. GRL 2005)を紹介する。 また、現在行っているアラスカーハワイ間の XBTデータを用いた解析結果も合わせて紹介する予定である。 |